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参政党的なものと排外主義

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2025年の参議院選挙で極右政党の参政党が躍進した。草の根保守主義を掲げているが、メロンパンを食べたら死ぬとかいう頭のおかしい人たちである。どうしてこういったいい加減な主張をする人たちが票を集まることができたのか少し考察してみたい。

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小麦は戦後の文化?

彼らは小麦は戦後の文化で戦前にはなかったと主張しているが、日本では米作ができない土地では小麦の栽培が盛んで、讃岐うどんや粉物の名物は多い。中華そば(ラーメン)は戦前からあったし、戦中は極貧生活の庶民がすいとんばかり食べていたという話はよく聞く話である。

うちの祖母は戦中生まれで、終戦記念日には当時の極貧生活を思い出すためにすいとんを食べるというのが毎年の習慣であった。

「違法外国人」とは?

これは自民党や公明党にも言えることだが、最近「違法外国人」なる呼称を使う政治家が多いように思われる。日本で生活する外国人はやや増加傾向にあるが、彼らの多くは日本のルールに従っていて、外国人が日本人と比べて犯罪率が高いというデータはない。

違法外国人なる存在がいるのであれば、現行の日本国の法令で摘発すればいいのだが、そうなっていないということは、彼らが適法に生活している証拠である。

「帰化人」という差別

参政党によると、外国人が日本国に帰化した場合も日本人として扱わないという。三世代住んで初めて日本人として認められるのだそうだ。

現在日本国籍を取得するのは非常に困難で、帰化できたひとたちは非常に優秀な人材である。それを差別するというのは基本的人権の尊重を謳う日本国憲法に反している。

「日本を大切にする心」が国籍要件

参政党の憲法草案によると、親が日本人でかつ「日本を大切にする心を持っている」ことが国籍要件として課されている。僕は保守主義者で日本の伝統に対して敬意を持っているが、彼らの言うところの「日本」というのとはどうも違うようだ。

神社を国有化するなどの宗教右派的政策を推進し国教化し、天皇を元首とする国にしようとしている。これは僕の愛して已まない日本国とはかけ離れた存在である。彼らの頭の中にあるのは戦前の「国体護持」であって、一般庶民の生活を大切にする日本国ではない。

国民の生命を第一に考えない国家は国民国家ではない。

自己表現もできないスパイ防止法

彼らの主張にスパイ防止法の制定というものがあるが、現行法でもスパイの摘発は可能である。そこに敢えて新しい法律を作るという作為には何らかの意図を感じざるを得ない。

戦前・戦中の治安維持法では、共産主義者や無政府主義者を中心に国体護持に悪影響を及ぼすであろう人間が特高警察に連れて行かれ、拷問を受けたり獄死した者も多い。

日本国憲法にある表現の自由を彼らは憲法草案で削除している。何か彼らに都合の悪いことを言えば、やれスパイだと嫌疑をかけられて拷問されるのは目に見えている(彼らは拷問の禁止も削除している)。

カルト商法

参政党は本来無料で入れる国会議事堂の入場に対してクラウドファンディングを行っている。なんでも商売にするのだろうか。

また怪しげなセミナーをやったり、怪しげな商品を高額で販売したりと、どこかの壺を売っているカルト集団と同じようなことをしているようにしか思えない。

こういった政党が議席を得て(参議院の任期は6年!)、税金で養っていかないといけないというのは非常に辛いものがある。

排外主義の土壌

どうして彼らが多くの議席を得ることになったのか。彼らがカルトの排外主義的集団であるということは周知の事実出会ったのにだ。

ここには既存政党への不信感や外国人移民への不安感など排外主義的な考え方が蔓延しているとしか考えられない。生活者の不安を既存政党が救いきれなかったことは非常に残念だが、どうしたら正しい情報が伝わるのか、このデマまみれのSNS社会でどうしていくのがよいのか、少しばかり不安である。

プロフィール
鵜本 武弥

リベラル保守を自称するブロガー、高校・大学で英語を教える非常勤講師。小学生の頃からインターネットの海を漂う。中学校で不登校を経験後、全日制高校を卒業して早稲田大学に進学、上智大学大学院で修士号を取得。ASD・ADHD・双極性障害・てんかんを持病に持ち、精神障害者手帳2級。

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